2020年12月13日(日)
行程図
2020年締めくくりの登山は、身近で慣れ親しんだ「吉備の中山」です。
吉備国が備前・備中・備後・美作の4つに分国されたとき、備前と備中は古代より山全体が神の山として崇められていた「吉備の中山」を2つに分けるように国境を定めたそうです。
そして備前も備中も、その国にとって最も大切な神社の一宮を「吉備の中山」の麓に置いたそうです。
スタートは吉備津彦神社です。子安神社から登っていきます。(10時)
吉備津彦神社は、吉備津彦命を祭神とする旧備前国の一宮です。
命は四道将軍の一人として「温羅」という鬼神を退治し、吉備国を統一したとして知られています。
犬、猿、キジを従えた「桃太郎像」がありました。
「吉備津彦命」が「温羅」を退治した伝説が、昔話「桃太郎」の原型になったといわれています。
まだまだ紅葉に残っている階段を登ると、子安神社があります。
ここは昔から縁結び、子授け、安産育児、家庭円満の神様として信仰されているそうです。
子安神社の北側には、7つの末社が並んでいます。
そこを通り過ぎると、
登山道の始まりです。(10時8分)
いきなり、急坂が続きます。
20分程、急坂を登り切ると、竜王山に到着です。吉備の中山の中で最も高い山で、標高170mです。(10時30分着)
山頂には八大龍王が祀られていて、古くからここで雨乞いが行われていたそうです。
八大龍王の祠を挟むように両側には経塚があります。
山頂からは岡山市の南側がよく見えます。岡山ドームも見えました。
天気が良ければ瀬戸内海も望むことができるのですが、今日は残念です。
山頂には、吉備津彦神社の元宮と伝えられている磐座(いわくら)があります。
10時40分、竜王山を出発です。
ここからは急坂を下り、眼下に岡山市北側の風景を望みながら天柱岩を目指します。
天柱岩(10時45分着)
吉備津彦神社の絵図には「権現岩」と描かれているそうですが、福田海(鼻繰り塚のあるお寺)を開いた中山通幽が天柱の文字を刻んだことから「天柱岩」と呼ばれるようになったそうです。
さらにジグザグ道の急坂を下っていきます。
屏風岩(11時着)
ここから藤原成親遺跡を目指します。
紅葉を残すモミジを愛でながら登っていきます。
藤原成親遺跡(11時10分着)
なお、藤原成親供養塔と横穴式石室は、吉備津彦神社横からの登山口を少し登ったところにあります。
ダイボーの足跡(大きなお坊さんの足跡だと伝えられる窪地)
八畳岩(11時25分着)
大小の岩が並ぶ奥宮磐座の中央にある大きな岩の天井部が平らで八畳敷き程の広さがあるそうです。
三角点を見つけました。(11時30分)
しばらく歩きやすい道を進み、道から少し外れたところに「吉備桜」の大木があります。
4月初めに訪れても、未だに花が咲いたところは残念ながら見たことがありません。
八徳寺の境内には、大きなイチョウの樹があり、道がイチョウの葉のじゅうたんとなっています。
ここの境内には、「平安桜」と呼ばれる山桜の大木もあるそうです。
観音様が並んでいる道を登ると、
中山茶臼山古墳に到着です。(11時45分着)
この古墳は、全長約120mの大型前方後円墳で、「吉備津彦命」のお墓と伝えられています。また、「御陵」とも呼ばれ、宮内庁の管理下にあります。
この古墳の正面右側の歩道に、備前と備中の境界を示す国境石があります。
さらに進み、吉備中山の東南に位置する山頂の神道山にある、黒住教本部に向かいます。
12時、黒住教本部に到着です。
参道の入口をくぐると、モミジの美しい紅葉が迎えてくれました。
歩く歩道がついているので、足にやさしいです。
見事な紅葉に心を洗われながら進んでいくと、
大教殿に到着です。(12時7分)
さらに歩く歩道で日拝所まで進み、ここで昼食としました。(12時15分)
あまりの寒さに30分程で下山、茶店でコーヒーをいただきました。(13時28分)
上の道を登ると御陵へ戻りますが、私たちは下の道を進み、岡山県古代吉備文化センターを訪れました。(14時6分着)
遊歩道を進み、吉備津神社に向かいます。ここも素晴らしい紅葉です。
バナナの樹があり、実がなっています。
400mもある吉備津神社の回廊を進み、
吉備津神社本殿に到着です。(14時42分着)
こちらも吉備津彦命を祭神としていて、旧備中国の一宮です。
福田海と鼻ぐり塚を通り、15時20分、吉備津彦神社駐車場に戻ってきました。
12月半ばでしたが、美しい紅葉を望むことができ、とてもよかったです。