2016年5月7日
弘法大師・空海が開いた高野山は、真言密教の聖地として今でも多くの信仰を集めています。
高野山から熊野本宮の二大聖地を結ぶ、全長約70kmの行程は、熊野古道の中でも最も最短です。
このたび、「世界遺産・熊野古道の小辺路を歩く計画」をアルパインツアーに依頼し、その計画の一部を実行に移しました。
計画では、4つの大きな峠を越える難路といわれているこのコースを3回に分けて歩きます。
今回は第1回目で、高野山から大股までを1泊2日で歩きます。
5月7日(土) 1日目
岡山駅西口をバスで6時30分に出発し、昨年開創1200年を迎えた高野山へ向かいます。
途中、トイレ休憩をとりながら、11時15分、高野山駐車場に到着です。
ここで同行してくださる語り部さんと合流し、出発です。
高野山大学を横目で見ながら進んでいくと、
真っ赤なシャクナゲが庭に咲いていました。
「金剛三昧院」入口の石の門柱を右折すると、
「熊野参詣道 小辺路」の看板が見えてきました。
林道を登っていくと、
「ろくろ峠」に到着です。(12時)
ここ「ろくろ峠」には、かつて「大滝口女人堂」があったそうです。
明治5年まで女人禁制だった高野山には、山への入口となる高野七口をつないで周遊する女人道があり、女人堂が設けられていたようです。
ここで昼食となりました。竹の葉で作られたお弁当箱に3種類のおにぎりとおかず、とってもおいしくいただきました。
チゴユリ
なだらかなアップダウンを繰り返し、「真別処分岐」を過ぎると、(12時44分)
薄峠(すすきとうげ)に到着です。(13時15分)
峠からは下り道が続きます。
道の脇に「丁石道標」がありました。
「是より かうや山エ四十丁 くまの本宮エ十七り」と刻まれ、弘法大師座像が彫られています。
フタリシズカ
高野槙(コウヤマキ)の群生地をぬけ、山道に入ると、
クリンソウが咲いていました。
マムシグサ
御殿川にかかる赤い橋を渡ると、(14時20分)
古くから清水がわき出ているところがありました。
14時40分、大滝集落に入りました。
ここは語り部さんのお宅です。トイレをお借りしました。
道のすぐ近くに、トイレが設置されていました。
庭には、シャクナゲやスズランなどたくさんの花が咲いていました。
大滝集落の最後の民家の前を抜けて山道に入ると、
白いクリンソウを見つけました。
杉林、雑木林を緩やかに登っていくと、
高野龍神スカイライン合流地点に出ました。(15時50分)
5分ほどスカイラインを歩いて行くと、バスが見えてきました。
今日の熊野古道行程は終了です。
バスに乗り、高野山奥之院山道入口まで帰ってきました。
これから奥之院の観光です。(16時15分)
弘法大師の聖地である奥之院は、一の橋から「弘法大師御廟」まで約2kmの参道が続いています。
両脇には樹齢数百年の老杉と、20万基を超える墓碑があります。
「UCC珈琲」や「ヤクルト」など、さまざまな会社の供養塔もありました。
御廟橋をわたると「弘法大師御廟」です。ここから先は聖域のため、撮影禁止になっています。
「阪神淡路大震災慰霊碑」、向かいには「東日本大震災慰霊碑」もありました。
杉林をぬけていくと、
「法然上人墓所」
豊臣家墓所
明智光秀墓所
石田三成墓所等、諸大名の供養塔や墓所が立ち並び、荘厳な雰囲気です。
苔むした石塔や、かわいいお地蔵様も並んでいます。
石灯篭に火がともると、幻想的な雰囲気が漂います。
約2時間、奥之院を観光し、今日の宿である宿坊「上池院」に到着です。(18時25分)
18時45分、夕食 もちろん精進料理です。
5月8日(日) 2日目
6時30分、「朝のお勤め」です。祈りの声に包まれ、すがすがしい気持ちになりました。
7時、朝食です。
「上池院」までの道は、シャクナゲがとても美しく咲いていました。
宿を8時に出発し、今日は、昨日バスに乗ったところからスタートです。(8時20分)
しばらく高野龍神スカイラインを歩きます。野迫川分岐を通過(8時33分)
ここは奈良県と和歌山県の県境です。
「水ヶ峰入口」の看板があります。ここから山道に入っていきます。(8時47分)
絵入りの看板もありました。
杉林の中、急登を登っていくと、
新緑の柔らかい緑色の世界になりました。
とても目にやさしい色です。
「水ヶ峰集落跡」に到着です。9時15分着
明治中頃には8軒の宿が軒を連ね、農閑期の冬になるとにぎわったそうです。
現在はわずかに石垣や墓標、防風林の杉が残っているだけです。
ハシリドコロ
林道と合流し、しばらくは林道を歩きます。
今まだ咲いている桜の花を発見!!
東屋が見えてきました。しばし休憩です。
ここからは、深く入り組んだ谷が見渡せます。
階段を降りて山道に入ります。
杉林、雑木林の中に、時々朱色のヤマツツジが、鮮やかな色で私たちの目を楽しませてくれます。
再び林道から山道に入るのは、「平辻(たいらつじ)」です。(10時50分)
「平辻」には、道標地蔵が立っていて、本宮までの距離を14里半と示しています。
天然のエビフライ発見!! これは松の実を小鳥たちが食べて作られたものです。
ここにも道標地蔵が立っていました。
杉林、赤松林の中を通っていると、
ギンリョウソウを見つけました。
雑木林のなか、新緑の緑とヤマツツジの赤がとても鮮やかです。
林道を一列で下っていく私たちです。
最後の山道を下っていくと、
テンナンショウ
「大股」に到着です。(12時8分)今回の熊野古道はここまでです。
バスで野迫川(のせがわ)温泉に向かい、ここで昼食と温泉で一息入れました。
昼食はあまご料理(13時15分)
温泉からの景色 滝が見えます。
再び高野山まで帰り、語り部さんとお別れし、一路岡山へと向かいました。
車窓から高野山大門が見えました。
新緑の美しいこの時期に、熊野古道小辺路を歩くと、目に青葉で本当にすばらしかったです。
小辺路2回目からは峠があり、だんだんと厳しい道になっていくそうです。
また来年が楽しみです。